歴史から未来へのヒントを 電気新聞の人気連載を書籍化!
発行:2021年10月
著者:西村 陽、戸田 直樹、穴山 悌三
ISBN:978-4-905217-95-4
サイズ:新書判
ページ数:336ページ
1996年の発電分野の自由化から25年の節目となる2021年、電気新聞紙上で2月から9月にかけて連載され好評を博した「未来へ紡ぐ電力自由化史」を書籍化しました。自由化前夜から現在進行形の電力システム改革まで、3人の著者がそれぞれの専門的視点から丁寧に検証。蓄積した成果や課題をあぶり出すとともに、エネルギー業界が直面するさまざまな課題克服への示唆を導き出しています。
電力自由化は電気料金低下や顧客選択肢の拡大を大義名分に掲げ、多数の新電力の参入を実現する一方、20年末~21年初の電力需給逼迫のように問題点も顕在化してきました。ここに至る経緯を、例えば公益事業における市場制度設計、規制当局と事業者の関係、電力会社の組織体質と外部環境変化などの切り口から分析し、課題と対応策を提言しています。
エネルギー業界は今なお脱炭素化やデジタル化といった大変革の只中にあります。それに対応してより良い仕組みを構築していくためには歴史から学ぶことが不可欠であり、すべてのエネルギー関係者に一読いただきたい一冊です。
【目次】
プロローグ 未来のための電力自由化史
第1章 自由化前夜
第2章 改革の黎明
第3章 「公益」と自由化を巡る葛藤
第4章 自由化スタート期
第5章 次代の成長を求めて
第6章 火事場のシステム改革
第7章 脱・善意の安定供給
第8章 非対称規制の暴走
第9章 続 脱・善意の安定供給
第10章 顧客側の新しい電気事業へ
第11章 脱炭素コンチェルト
エピローグ 電力自由化の未来を考える
エピローグ1 未来に向けて学ぶ「失敗」
エピローグ2 送電線開放モデルを問い直す
エピローグ3 “自由”繚乱
【著者紹介】
西村 陽氏(にしむら・きよし)
大阪大学大学院工学研究科招聘教授、公益事業学会政策研究会幹事、関西電力株式会社シニアリサーチャー
1984年関西電力入社。学習院大学経済学部特別客員教授などを経て、2013年より現職。著書に『にっぽん電化史』シリーズ、『まるわかり電力システム改革2020年決定版』(いずれも共編著、日本電気協会新聞部)など。
戸田 直樹氏(とだ・なおき)
東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所 経営戦略調査室チーフエコノミスト
1985年東京電力入社。企画部、国際部、外務省経済局派遣、電力中央研究所社会経済研究所派遣(上席研究員)などを経て、2016年より現職。著書に『エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ』(共著、2017年、日本経済新聞社)『カーボンニュートラル実行戦略:電化と水素、アンモニア』(共著、2021年、エネルギーフォーラム)など。
穴山 悌三氏(あなやま・ていぞう)
長野県立大学グローバルマネジメント学部教授
1987年東京電力入社。企画部、電気事業連合会企画部、学習院大学経済学部特別客員教授などを経て、2019年より現職。著書に『電力産業の経済学』(2005年、NTT出版)『公益事業の変容 持続可能性を超えて』(共著、2020年、関西学院大学出版会)など。